こんにちは、BIRTHDeYの安江です。
ホームページを見たときに、
「デザインは変ではないのに、なぜかあまり信頼感が出ていない」
と思うことがあります。
配色が悪いわけでもなく、写真が極端に古いわけでもない。
レイアウトも、そこまで崩れてはいない。
情報も一応揃っている。
それでも、どこか落ち着かない。
ちゃんとして見えない。
なんとなく薄い。
そんなとき、問題はデザインそのものではなく、サイト全体に流れている“話し方”のズレかもしれません。
私はこれを、ブランドトーンの問題として捉えることがあります。
言い換えると、見た目の問題というより、印象の整い方の問題です。
そしてこの二つは、似ているようで、実際には少し別の話だと思っています。
よくあるのは、“少しずつ別人っぽい”状態
ホームページのトーンがずれているとき、何か一つだけが明確におかしい、ということはあまりありません。
むしろ多いのは、少しずつズレている状態です。
例えば、トップページはやわらかいのに、サービス紹介だけ急に営業っぽい。
代表メッセージには人柄があるのに、お問い合わせまわりだけ妙に事務的。
採用ページだけ急にテンションが若い。
SNSでは自然なのに、ホームページに来ると急によそ行きになる。
一つひとつは、そこまで大きな違和感ではないかもしれません。
でも、そういう小さな差が積み重なると、全体として「なんとなくしっくり来ない」という印象になります。
見ている側は、そこを言語化しているわけではありません。
ただ、無意識のうちに温度差を拾っています。
そして、その違和感は、思っているより残りものだと考えます。
人は、全部を読んで判断しているわけではありません
ホームページを丁寧に隅々まで読む人は、それほど多くありません。
多くの場合は、見出しを見て、写真を見て、冒頭の数行を読んで、なんとなく全体の空気を掴んでいます。
その中で、
ここは信頼できそうか。
自分に合いそうか。
ちゃんとしていそうか。
相談しやすそうか。
そういったことを、かなり早い段階で判断していると思います。
だからこそ、細かなズレが意外と効きます。
内容に問題があるわけではない。
言っていることも間違ってはいない。
それでも、なぜか少し引っかかる。
そういう状態は、デザインの崩れというより、話し方や距離感の揺れから生まれていることがあります。
ブランドトーンとは、“話し方”の設計に近いものだと思っています
「ブランドトーン」という言葉を使うと、少し大げさに聞こえるかもしれません。
でも、ここで言いたいのは、特別なことではありません。
例えば文章を書くときにも、
少しやわらかくするのか。
きちんと見せるのか。
親しみを出すのか。
落ち着いた距離感を保つのか。
そういう調整は、自然にしていることがあると思います。
それを、サイト全体で見たときにも揃えていく。
私はブランドトーンを、その延長にあるものとして考えています。
どんな単語を選ぶか。
どこまで丁寧に話すか。
どういう温度で案内するか。
やさしく見せたいのか、頼もしさを出したいのか。
軽やかにしたいのか、端正に整えたいのか。
そうしたものが揃ってくると、ロゴや配色だけでは出せない“その会社らしさ”が少しずつ見えてきます。
逆に、そこが揺れていると、見た目をいくら整えても、どこか輪郭がぼやけたままになることがあります。
違和感の正体はどこに潜むのか? 私がまず「言葉」を見る場所
こういうズレを見るとき、私は見た目の前に、まず言葉を見ます。
例えば、以下のような場所です。
・トップページの導入文
・サービス紹介の説明
・会社概要や自己紹介
・CTAまわりの文言
・お問い合わせフォーム前後の文章
・英語ページがあれば、その空気感
・SNSとの距離感の差
このあたりを続けて見るだけでも、「ここだけ少し別人っぽいな」と感じる箇所は意外と見えてきます。
もちろん、ページごとに役割は違います。
サービス紹介とFAQが、完全に同じ口調になる必要はないと思います。
ただ、その奥にある人格のようなものまで毎回変わってしまうと、サイト全体の印象は不安定になります。
きちんとしているけれど冷たくない。
やわらかいけれど頼りなくない。
親しみやすいけれど軽すぎない。
そういう芯があるかどうかは、案外、細かな言葉づかいに出ます。
例えば、こんなボタンの言葉にもトーンは出ます
ブランドトーンというと大きな話に聞こえますが、実際にはかなり小さな部分にも表れます。
例えば、「お問い合わせ」ボタン一つでも印象は変わります。
・今すぐ相談する
・お問い合わせはこちら
・まずはお話を聞かせてください
意味としてはどれも近いですが、受ける印象は少しずつ違います。
企業向けのシステム会社であれば、「お問い合わせはこちら」くらいのニュートラルさが安心につながることがあります。
一方で、個人の悩みに寄り添うサービスなら、「まずはお話を聞かせてください」の方が心に届くかもしれません。
逆に、やさしく寄り添いたいブランドなのに、ボタンだけ急に強い営業感が出ると、それだけで少し温度が変わって見えます。
こうした“ほんの一言の選択”の連続が、サイト全体のトーンを決めていきます。
だから私は、ブランドトーンは雰囲気の話で終わるものではなく、かなり具体的な言葉の設計だと考えています。
英語になると、トーンのズレはさらに目立つことがあります
実はこれ、英語ページやネイティブチェックでも、まったく同じことが起こります。
文法的には正しい英語でも、ネイティブの目から見ると
・丁寧すぎて少し回りくどい
・逆にドライすぎて冷たく見える
・日本語の空気感がうまく移っていない
・急に別の会社のような話し方になっている
ということは珍しくありません。
つまり、翻訳として正しいかどうかと、その会社らしく見えるかどうかは、別の話です。
このあたりは、ネイティブチェックの記事でも触れた通りで、英語のチェックというのは単なる誤訳修正ではなく、「どう読まれるか」「どんな印象になるか」を整える作業でもあります。
言語が変わっても、話し方のズレがもたらす違和感は同じです。
「すべて同じ口調にする」わけではない。芯をぶらさない設計とは
ここは少し誤解されやすいところだと思います。
ブランドトーンを整える、というと、すべての文章を同じ調子にそろえることだと思われることがあります。
でも、実際にはそうではありません。
ページごとに目的は違いますし、伝える内容も違います。
トップページとFAQでは、必要な温度も少し違うはずです。
大事なのは、全部を均一にすることではなく、どこを読んでも同じ会社の言葉に聞こえることだと思います。
少しずつ表情は違う。
でも、芯はぶれていない。
その状態に近づけることが、トーン設計なのではないかと思っています。
サイトの違和感は、色や余白より先に、言葉に出ることがあります
Webサイトの相談を受けるとき、私は見た目だけを先に見ることはあまりありません。
もちろん、配色や写真、余白の取り方も大事です。
ただ、それより先に、「このサイトはどう話しているか」を見ることがあります。
どれだけきれいに整っていても、言葉の距離感や温度が揃っていないと、全体の印象はどこか不安定になります。
逆に、話し方の芯が見えてくると、デザインの方向も整理しやすくなります。
写真の選び方も、見出しの置き方も、英語にしたときの判断も、少しずつ揃えやすくなる。
私はその意味で、ブランドトーンは“仕上げ”というより、かなり土台に近いものだと感じています。
見た目を整える前に、まずその会社がどう話すべきかを考える。
その順番のほうが、結果的には自然にまとまることが多いと思っています。
まとめ:見た目が整っていることと、印象が整っていることは少し違う
ホームページの印象は、目立つデザイン要素だけで決まるわけではありません。
どんな言葉を選ぶか。
どのくらいの距離感で話すか。
どこでやわらかくして、どこで背筋を伸ばすか。
そうした小さな積み重ねが、結局は「この会社らしさ」になっていくのだと思います。
デザインは整っている。
情報も足りている。
それでも、なぜかしっくり来ない。
もし今そう感じているなら、見た目そのものではなく、サイト全体の“話し方”を見直してみるとよいかもしれません。
それは、配色やレイアウトを変えるより先に、印象を整える手がかりになることがあります。
ご相談について
BIRTHDeYでは、Webサイトのデザインや構成だけでなく、言葉の温度感やブランド全体の印象も含めて整理しています。
見た目は整っているのに、なぜか信頼感が弱い。
ページごとに雰囲気が少しずつバラついている。
英語ページだけ空気が変わってしまう。
そうした状態がある場合は、制作前の整理や見直しからご一緒することも可能です。
お気軽にご相談ください。