「英語ページは大企業や観光業だけのもの」――そう思っていませんか?
実際は、中小企業こそ最小限の英語ページを用意するだけで、検索に拾われる範囲が広がり、問い合わせの“入口”が増えます。しかも全ページの翻訳は不要。まずは4ページから始めれば十分です。
なぜ英語ページが“効く”のか
日本語だけだと、英語検索の土俵にのらない
たとえば “contemporary art gifu” のような英語キーワードで、日本語だけのサイトは原則ヒットしません。英語ページを別URLで用意し、相互に関連付ける(hreflang
)ことで、検索エンジンに「このページは英語版」と伝えられます。
“最低限の英語+連絡手段”でも効果が出る
Googleは言語別ページの存在を理解できます。全ページを同時翻訳しなくても、要点だけ英語にして公開しておく価値が高いのです。
実例:岐阜現代美術館(GICOMA)
BIRTHDeYで制作した「岐阜現代美術館」では、日本語と英語ページを同時に公開。実際に海外からの訪問者があり、英語検索経由の流入が確認されています。ポイントは、英語圏ユーザーの入口を“もう一つのドア”として開けておくこと。ドアを開けなければ誰も入れませんが、開ければ必ず来る可能性が生まれます。
英語ページは“もう一つの入口ドア”。閉じたままでは見つけられない。
効果が出やすい業種
- 観光・宿泊・飲食:旅行者は来訪前に公式サイトを確認。多言語の地図/営業時間/予約動線はそのまま集客導線。
- 製造業(B2B・代理店開拓):技術概要・強み・実績の英語版があるだけで、初回の信頼ハードルが下がり、商談前の選別で外されにくくなる。
- 教育・医療・行政サービス:在留外国人向けに価格・持ち物・対応言語・予約方法を明記すると、問い合わせの心理的障壁が下がる。
- 不動産・建築:投資家・駐在員向けに、地域情報・費用感・連絡手段を英語化するだけで差別化しやすい。
最小構成の“正解”はこの4ページ
- Home(英語のトップ):要点だけ短く。何を提供している会社かが一目で分かる。
- About:会社概要/所在地/対応エリア/沿革の要点。
- Services:サービス名は簡潔に、成果物や価格レンジは“目安”でOK。
- Contact:英語UIのフォーム+英語の自動返信。電話・LINE・メールの英語窓口も明記。
すべて翻訳するより、まずは“英語の入口+連絡手段”を先に。これだけで回り出します。
検索と“登録面”で増える導線
英語ページがあると、情報を英語の面にも揃えやすくなります。結果、次のチャネルで発見されやすくなります。
- Google 検索(国際SEO):言語別URLを用意し、
hreflang
で相互関連付け。 - Google ビジネス プロフィール(GBP):ビジネス説明文を英語で整備すると、一貫性を保ちやすい。
- Apple Business Connect(Appleマップ):英語テキスト資産を持っていると整合性を取りやすい。
- Tripadvisor等の多言語プラットフォーム:英語ページのURLがあるとリンクの受け皿として使いやすい。
要するに、英語ページは「検索」だけでなく、地図・口コミ・観光導線でも“見つかる確率”を底上げします。
データで示す「英語ページの価値」
① 消費者は“母語の情報”を求めている(定量)
- 76% のオンライン消費者は「母語で情報があること」を好み、40% は「他言語のサイトからは買わない」と回答。
- HBRまとめでも、72%超が「母語のサイトで購入意欲が高まる/母語サイトに滞在しがち」と報告。
つまり「最低限の英語ページでも“入口”があるか」で、最初の選別から外れにくくなる。
② 検索で“英語面”に露出するための前提(実装)
言語別URLを用意し、hreflang
で相互参照すると、Googleは該当言語のページを出し分けやすくなります。
③ トラベル・来訪行動は今後も増える(地合い)
Google×Deloitte等の共同研究では、2040年までに国際旅行者が約60%増と予測。地域の施設・観光業は英語導線の価値がさらに高まる見込みです。
直訳にしない:英語ページ作りのコツ(短縮版)
- 文量は日本語より短く。箇条書き比率を上げ、迷わせない。
- 誤解しやすい項目(価格、予約方法、受付時間、返金・キャンセル、支払手段)は丁寧に。
- フォームの英語化(エラーメッセージ/自動返信)と、連絡手段の英語説明を忘れない。
- URLは
/en/
のように言語別に分け、相互にhreflang
を設定。
まとめ:いま開ける“もう一つの入口ドア”
- 全ページの翻訳は不要。Home / About / Services / Contact の4点から。
- 検索・地図・観光プラットフォームで英語の面にも存在できる。
- 「岐阜現代美術館」のように、英語ページを用意すると実訪問が生まれる実例がある。
- さらに調査データからも、母語情報の有無が購入行動に直結することがわかっている。
- まずは小さく始め、必要に応じて拡張していけば良い。
BIRTHDeYでは、“必要最小限から始める英語ページ対応”を提案しています。英語の原稿づくり(意訳)からフォーム対応、/en/
の実装と hreflang
設定まで、小さく・速く。まずはお気軽にご相談ください。
参考リンク
- Google 検索セントラル:
多言語/多地域サイトとhreflang
の実装ガイド(公式)
Managing Multi-Regional and Multilingual Sites - CSA Research:
「Can’t Read, Won’t Buy」母語嗜好の定量データ(2020, 8,709名/29カ国)
Survey of 8709 Consumers in 29 Countries Finds that 76% … - Harvard Business Review:
言語と購買行動の概観(要点まとめ)
Speak to Global Customers in Their Own Language - Think with Google × Deloitte:
国際旅行者の将来予測(60%増)
Future of travel research: 2040 predictions & trends